あまりろ日和

子育てと生活に関する発見を綴るブログ

耳下腺腫瘍〜入院6日目・手術2日後〜

昨夜から喉が痛くてよく眠れなかった。

朝の回診で診てもらったところ、喉がすこし腫れてるとのこと。

全身麻酔の挿管でイガイガしてたのが、今になって腫れて来たのかな。

これ以上腫れるのもステロイド点滴も怖いので、

下のコンビニで龍角散のど飴を買って舐める。

 

それに、今日は耳の大きなガーゼも取れた!

スッキリしたものの、耳にまだ圧迫感が。

触れると、「えっ?」って感じ。

耳の感覚が鈍くなっていた。

耳たぶに至っては感覚が無い。

神経が切れるってこういう感覚なんだ?

わかっていたものの、何だかすこしショック。

 

ドレーンはまだ取れそうに無い。

出てくる血液や体液の量が、一日10cc以下になれば抜けるんだって。

昨日は27ccとか言ってたから、こりゃ、まだまだだな。

管をどっかに引っかけないように注意して過ごすのも、

この袋を胸の上やベッド脇に置いて寝るのも、

地味にストレスだ。

 

 

耳下腺腫瘍〜入院5日目・術後翌日〜

起きたら、いつの間にか点滴が無くなってた。

寝てる間に、外してもらってたみたい。

うっとおしい管が一つ減ってうれしい♪

 

麻酔が抜けきらないような気持ち悪さはマシになっていたものの、

頭痛や腰痛が酷く、気分は鬱々。

「病は気から!」

コンタクトを入れ、髪を縛り、カーテンを開けて、椅子に座る。

・・・・・ムリ〜!

諦めて頭痛薬を頂くと、スッキリしてきた。

 

耳のあたりにはお碗くらいの大きさのガーゼが貼られてる。

それは、患部の圧迫も兼ねているらしく、首を軽く締められているような不快感_| ̄|○

ガーゼのテープで首が曲がらず、肩がこって頭痛になってるよう。

回診の際に先生に直してもらった。

 

食事は今朝からお粥になってて、

ついていた練り梅が怖かった。

手術なんかしてなくても、

梅干を見て、唾液腺がキューってなってたもの。

スプーンを口に入れようとしたら、普段みたいに開かず、

ねじ込むようにして完食!

夕食からは常食になったけど、これもねじ込むようにして完食!

どうだ!

ついでに、この日はお誕生日だったので、

下のコンビニでケーキを買って、

「ハッピーバースデー🎂わたし💛」までした。

 

夕方、あまりろと夫が来てくれた。

あまりろに首からぶら下がったドレーンを引っ張られないよう、

パジャマの下に管や袋を隠して、あまりろ対策。

 

二人は今夜から隣県の自宅に帰るので、次に会えるのは週末になる。

二人でちゃんとやれるか心配。

hanaもすこし心細い。

帰るという二人を見送りに下へ。

二人を乗せたクルマが見えなくなるまで手を振った。

 

 

耳下腺腫瘍〜入院4日目・手術当日〜

6時にアルジネードウォーターというスポーツ飲料的なものを飲み、その後は8時に水分禁止に。

10時45分ごろから手術着に着替え、病室から手術室へ出発。

もう、まな板の鯉。

 

夫とあまりろが手術室の入り口まで送ってくれた。

そこからは、看護師さんに付き添われ、私一人で行かなくてはならない。

なんだか、一人で三途の河を渡って行くようで、とても寂しかった。

 

あっちの世界(手術室)では、麻酔科医と看護師さんたちが賑やかに準備をしていた。

自分で台の上(案外狭い)に横になり、麻酔科医が点滴の横から麻酔薬を加えると、

数秒、ぐるぐる目眩がしてシャットダウン。

 

 

あまりろと楽しく過ごしていた。

ら、看護師さん(たぶん)にけたたましく名前を呼ばれ、我に返った。

あまりろの夢を見ていたのだ。

こっちの世界に帰って来た。

 

が、なぜか目を開けられない。

「息をしてください」という声に応え、意識的に呼吸するけど、

気をぬくと息をするのを忘れてしまう。

しかも恐ろしいことに、「このまま息をしないでいたい」という気にすらなる。息をしても、なんだか息苦しい。

手術したあたりにひどい創傷のような痛みを感じる。

ぐるぐる目眩をする私を乗せて、ベッドは病室に向け戻っていく。

歩いて行った手術室は遠かったのに、麻酔のせいか、気がつくともう病室だった。

この間、視覚は全く無く、耳と感覚だけの世界。

 

どうやら病室では、慌ただしく酸素や管の準備がされている。

聞こえてくる会話を聞いていると、お義父さんだけが病室にいるようだった。

夫に迎えて欲しかったけど、夫はどこかであまりろの相手に忙しいのだろう。

仕方ない。

そのうち、

夫とあまりろ、義兄嫁、お義母さんが来て、私は(閉じたがる目を)一瞬だけ開けて挨拶した。

コナンちゃんも来てくれていた。

自分がどんな状態なのかわからなかった。

尿道カテーテルを入れられてたら嫌だな、と気にしていた。

今思うと、「そこ?!」って感じだけど。

コナンちゃんに「脚の間からも管出てる?」と聞くと、コナンちゃんは意を介さないまま足もとを覗いて、「無さそう」と言った。

カテーテルは無いんだ・・・地味にホッとした。

 

 

手術室から戻ってきた14時ごろから夜20時の面会時間終了まで、

コナンちゃんはベッドサイドに残ってくれた。

30分ごとに看護師さんがバイタルとドレーンの確認をしに来る度に起こされるけど、

すごい眠気に襲われhanaは朦朧と眠り続けていた。

術後2時間で看護師さん同伴でトイレに歩いて行き、

夕飯(重湯と具のない味噌汁と変な高カロリードリンクとヤクルト)も出て来た。

 

20時前、コナンちゃんと「そろそろ時間だね」と話していたら、

カーテンの向こう、廊下から

カラカラカラカラという音が近づいて来た。

なんだか妖怪が来るような怖面白さを感じて、コナンちゃんと顔を見合わせた。

音が病室の前まで来ると、カーテンがシャッと開いた。

夫とベビーカーに乗るあまりろだった。

可愛い妖怪さんにコナンちゃんと顔を見合わせて笑った。

 

夫は義父母を連れて一旦帰ったものの、またちらっと見にきてくれたらしい。

そして、コナンちゃんと3人で仲良く帰って行った。

みんな、今日はありがとう。

 

その後、20時以降の記憶は無い。

ドレーンや点滴など管だらけの上、耳周辺に大きなガーゼが貼ってあり、動くのも怖いし苦しい。

こんな状態で一晩中眠れなかったら怖いな、と怯えていたけど、

麻酔効果の残りか、朝までぐっすりでした。

 

 

 

耳下腺腫瘍〜入院3日目〜

明日の手術に向けて、

11時過ぎに、下階にある床屋で左耳周辺の髪の毛を剃りに。

hanaが嫌だ嫌だと言っていたからか、夫があまりろを連れて来てくれた。

あまりろをあやすのに必死で剃るまでに色々考えずに済んだ上、

床屋でもあまりろが騒ぐのが気になって感傷には浸る暇もなかった!

ありがとう、あまりろ。そして夫。

 

その後、昼食を3人でとっていたら、

なんと親友のコナンちゃんがお見舞いに来てくれた。

病院までコナンちゃんやhanaたちが住む街から車で2時間もかかるのに!

きっと明日は手術だから励ましに来てくれたんだろう。彼女はそういう人だ。

おかげで、手術前の何もない日曜を楽しく過ごせたのでした♪

 

夕方には手術前日のお風呂。

明日以降はしばらく入れないだろうから、念入りに髪と身体を洗う。

そして、夕飯を食べ終わった20時頃、

夫がまたあまりろと来てくれた。

きっと、hanaが明日の手術を不安に思っているだろうと考えて来てくれたのだろう。

でも、面会時間外なんすけど。

看護師さんにお願いして家族控室で面会。

 

夫は帰り際、hanaの左耳にキスをしていった。

術後は耳の感覚がなくなるからね。

明日は、夫とともに義父や義母、そして義兄嫁までも来るそうだから、

こりゃ今夜しとかないとね。

ありがとう、夫。

そして、パジャマできてくれた小さなあまりろ。

耳下腺腫瘍〜入院2日目〜

6時に病室の電灯がつき、7時過ぎに朝食が運ばれてきた。

トースト、2枚もいらん。

日頃の疲れが溜まっていたのか、その後も昼までうつらうつらする。

するとまた昼食。

食べてまたうつらうつら。

すると、夫とあまりろとお義母さんが来てくれた。

たくさんの甘酒とカステラを持って。

お義母さん、ありがとう!

そのまま夕方まで楽しく過ごさせてもらい、3人を見送った。

するともうまた夕食。

夕食後、義兄夫婦も来てくれてびっくり。

 

普段はしらっとしている夫だけど、

あまりろの世話が大変な中、私にたくさんメールを送ってくれたり、毎日来てくれたり、

とても気遣ってくれている。

結婚して良かった。

この人が入院することになったら、私もこんな風にしてあげよう。

 

月曜の手術まで明日も元気な私。

でも、明日は耳まわりの毛を剃るんだって。

嫌だなぁ。

 

 

耳下腺腫瘍〜入院初日〜

手術は月曜だけど、前日から入院しないといけないようで

だけど、日曜は入院受付てないという理由で

金曜から無駄に入院開始。

 

今日は何もないだろうとタカをくくっていたら午後に処置室に呼ばれ、

若いドクターに鼻からファイバースコープを入れて鼻と喉を見られた!

耳下腺腫瘍だっつーのに、なぜに鼻?!

これが意外につらかった・・・。

 

そして15時にお風呂の順番がきた。

なんと、家庭用のお風呂そのもので、

湯船にもお湯がはられていたが、シャワーだけで済ませた。

そして、ひま、ひま。

Amazonのfire TV タブレットで動画を観たり

院内のコンビニをぶらついたり

あー、ひま。

 

手術をしたら、ほとんどの場合、耳の感覚が無くなるのだそう。

耳掃除がちゃんと出来なくなると聞いて

地味にざんねん。

「耳掃除などしなくても耳垢は勝手に外に出るので大丈夫です」って

ドクターわかってないなぁ〜。

はぁ〜、あの気持ち良さも失うのか。

耳下腺腫瘍はもともと痛みも何もない分、

手術によって喪失するものが多く感じてしまう。

耳下腺腫瘍〜手術への躊躇と決意〜

腫瘍が悪性だと判明していたら、

きっと、

一も二もなく手術を選ぶと思う。

でも、良性だからこそ、

本当に今、手術をすべきなのかを

hanaは何度も何度も悩んでしまった。

 

手術をやめた方が良いと思った理由と、

やった方が良いと思った理由を、

まとめるとこう。

 

【やめた方が良い】

・大きな傷が残る。

・顔面神経が麻痺する可能性がある。

・耳たぶの神経はほとんどのケースで麻痺する(ピアスや耳掃除が不便に)。

 

そして、こんなリスクある手術を

・痛くも痒くもない良性腫瘍に対してすべきなのかという疑問。

・そして、「今」すべきなのかという疑問。(悪性化するのは多くの場合10年単位なので)

・こんなリスクを抱えて手術しても、10%くらいは再発するという事実。

 

【やった方が良い】

・10年で1割が悪性化する。hanaの年齢では平均的な寿命まであと40年以上ある。イコール、この先、悪性化するリスクは1割以上である。

・万が一、悪性化したら、命に関わるかもしれない。

・命に関わらなくても、顔面神経の温存や、QOLの維持が難しくなる。

 

手術をすれば、その不安がうんと解消される。

今なら、

仕事的にも入院のための休みが何とか取れるし、

他の家族も健康で自立出来ている。

保険にも入っているから、

経済的心配も大きくない。

hanaの年齢的にも、

身体への負担は大きくない。

つまり、

手術可能である。

 

「ほんとに手術しなくちゃいけないの?!」

「いや、手術しなくちゃ!」

をこころが行き来した。

最終、

49:51で、

手術をしよう!に傾いたのは、

やっぱりあまりろの存在だった。

大げさだけど、

どんな姿になっても、あまりろとまだ居たい!

あまりろと行きたいところや、

あまりろに話したいこと、

あまりろに作ってあげたいごはんや、

あまりろに祝ってあげたい瞬間がたくさんあることが、

「手術をしよう」を後押しした。

 

そうして、

決めたなら、

取るのは早いに越したことはない。

ひと月後の手術&入院日を予約し、

仕事のスケジュール管理と

まだおっぱいにぶら下がっているあまりろの卒乳を開始したのでした。